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2014年8月5日 『財界』 (2014.8.5発行号 P131) 記事要約
word 忘れられないこの言葉
イーパーセル株式会社 代表取締役社長 北野譲治
「一大事と申すは今日只今の心也」
この言葉を毎日忘れずに胸に刻み込めるよう、書を額装して拙宅の玄関に掲げている。
この言葉は、吉田茂ら歴代首相の指南役として知られた四元義隆翁から授かって、大書していただいた。
氏は晩年、北鎌倉円覚寺の塔頭「蔵六庵」に住んでいらっしゃった。
氏の意見を求めて多くの政財界の要人が、玄関に至る細い急坂を何度となく上ったことであろう。歴史の裏面史が刻み込まれた坂となった。
私も何度となくこの坂を上って氏と面会し、含蓄のある話の中から幾つもの珠玉の言葉をいただいた。
至福のときであった。
江戸時代の臨済宗の傑僧、正受老人曰く、「一大事と申すは今日只今の心也」と。私なりの解説が許されるなら、「今日一日を始めとし、終わりとする」となる。
もう戻らない昨日の過ちを悔い、まだ来ない明日の夢に溺れ、今日を疎かにして翌日あることなし、だ。
私のこれまでの50年は今日以後のための準備だと思うようにしたい。つまり、これからだということ。
今日一日、最高の努力を自分に約束する。
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